今回は「韓国製バイアグラジェネリック(シルデナフィル)」についてお話ししたいと思います。
韓国のバイアグラジェネリック事情
韓国国内ではバイアグラの成分に関するファイザー製薬の特許が2012年5月に切れたことから韓国でバイアグラジェネリックが発売されています。40種類近いバイアグラジェネリックが2015年4月現在発売されています。37社から発売されているとのことです。いずれも処方箋医薬品とうい位置づけで韓国国内でも医師の処方がないと手に入りません。また今のところ健康被害に関する情報もないようです。韓国国内の勃起不全薬の市場調査結果(IMSヘルスデータ調べ)によると、2012年度にはバイアグラの売上高が第一位から陥落しシアリスが1位、バイアグラが2位、3位が韓国国内で製品化されたバイアグラジェネリック韓美薬品の「パルパル錠」、4位が東亜製薬のバイアグラジェネリック「ザイデナ錠」となっていてバイアグラジェネリックが多く処方され浸透しているようです。
韓国ファイザーもシェアを維持するために口腔内溶解錠の「バイアグラL」」を発売して対抗しているようですが苦戦中の様子です。
その他のバイアグラとしてDaewoong Pharma社の「ヌリグラ(Nurigra)」、Samjin Pharmaceuticals社の「ハピグラ(Happigra)」等です。Cheiljedang Pharma社の「ヘラグラ(Heragra)」は粉末タイプにバイアグラジェネリックを販売しています。
またこの会社は韓国ファイザー社を相手に訴訟を起こしました。ファイザー社はバイアグラを商品として登録する前に「物質特許」をとり、そのあとで「用途特許」も申請しています。この時特許が切れたのは物質特許で「勃起不全の治療に使うための薬」としての用法を認めた「用法特許」は2014年5月まで継続するためこの用途特許が有効ならば、韓国製ジェネリックはすべて特許権の侵害になってしまいます。
そこでCheiljedang Pharma社はこの用途特許を無効と主張し、用途特許が認める範囲を確認するための訴訟を起こしました。
ちなみにかつて米国でも同様の訴えがあり、その時はファイザー社が勝利を収めています。しかしそこは別の国で、アメリカではありません。ファイザーの敗訴となっています。その後韓国ファイザーも上訴を検討しているとの報道もありましたが気が付けば用途特許の期間もいつのまにか満了となっています。
韓国からの偽物・偽造品ED治療薬
今後韓国から偽造品のED治療薬が日本に入ってくることが予想されます。現在、日本の医師でどの薬剤が安全か判断のつく医師はいないと思います。専門家でもおそらくいないと思います。正規の韓国製バイアグラジェネリックでさえ37社もある状態ですからどれがどれかわかりません。
韓国のレビトラやシアリスの特許はまだ切れていないため韓国のレビトラジェネリックやシアリスジェネリックは100%偽造品です。インターネットでの個人輸入の際に60%程度に偽造品が混入すると言われています。きちんとした流通路で正規の薬剤を入手できればいいのですが個人ではきちんとした流通路をもつ輸入代行業者の選別は難しいのが実情です。非常に精巧にできているため見た目での判別は非常に難しいうえに、内服することで深刻な健康被害を引き起こすことがあるため危険です。世界では正規のインド製の医薬品は信頼性、安全性を高く評価されています。