コラム

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2022.03.10

EDと心臓病

EDでお悩みの方の中には、心臓病を患っている方、または過去に治療の経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが、ED治療薬の服用を怖いと不安に感じている方も多いようです。

今回は、EDと心臓病についてご説明いたします。

勃起とは

勃起の仕組みは、性的刺激を受けると脳が反応し、一酸化窒素(NO)が分泌され陰茎の中で血管拡張物質であるサイクリックGMP(cGMP)が増加することにより血管を拡張させます。そして、海綿体に血液が流れ込むことで勃起します。そして、cGMPを阻害する酵素ホスホジエステラーゼ5(PDE-5)が放出され、海綿体の血管が収縮することで勃起は収まります。

EDとは

EDとは「Erectile Dysfunction」の略であり、日本では「勃起障害」「勃起不全」と訳され、勃起機能の低下を意味します。性行時に十分な勃起が得られない、または十分な勃起を維持できないため、満足な性行為が行えない状態もEDの疑いがあります。EDなんて自分には関係ないと思っている方が多いかもしれませんが、ふとしたきっかけでEDになってしまう方もたくさんいるので無関係ではありません。EDの原因として大きく分けて2つあります。

1つは心因性のもので、初体験のトラウマ、仕事上のストレス、夫婦間での問題など、精神的な原因でなってしまう心因性EDです。

もう1つは器質性のもので、つまり身体に何らかの原因があり、物理的に勃起が阻害されてしまう器質性EDです。器質性EDになってしまう原因として、加齢や肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病に起因する動脈硬化や前立腺がん・前立腺肥大の外科的手術による陰茎付近の神経や血管の損傷などの血管障害、また不慮の事故により神経障害などが挙げられます。

EDと心臓病に関連性があるのは器質性EDになります。

心臓病とは

心臓病といっても様々な種類がありますが、EDと関連性が高いのは「虚血性心疾患」と言われるもので、狭心症や心筋梗塞などが挙げられます。では具体的にどのように関連性があるのかというと、ペニスが勃起する仕組みはで説明したように血液がペニスの海綿体に流れ込むことによってペニスは硬くなります。しかし動脈硬化などにより陰茎動脈につながる血管が固くなり内腔が狭くなり血液がペニスに送れず、十分な勃起をさせることが難しくなるのです。

その動脈硬化ですが、心臓病の狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の原因になってしまいます。冠状動脈がふさがれ、心筋が血液不足になることで起こる病気です。狭心症では一時的な虚血ですが、心筋梗塞は冠状動脈に血栓がたまり、血液の流れを完全に遮断してしまうため、放置しておくと細胞が壊死し、突然死につながる可能性が高いのです。動脈硬化によって起こりうるという点でEDと心臓病は共通しているのです。心臓の冠状動脈で血管が詰まりが起これば、狭心症や心筋梗塞などになり、陰茎動脈につながる血管で詰まりが起きればEDとなります。

動脈硬化によって血流の悪化は、体内の細い動脈から始まり、やがて太い動脈に広がっていくといわれており、心臓周辺の血管よりも陰茎動脈の血管は非常に細いため動脈硬化の影響を真っ先に受けやすいと考えられています。そのため、EDになった方が人間ドッグなどで体を調べてみると心臓病だったというのは珍しくなく、EDは心臓病の予兆である可能性がありますので、気になる方は早めに医師と相談してみましょう。

ED治療薬と心疾患治療薬

心臓病を患っている方、もしくは過去に心臓病の治療を受けたことのある方はED治療薬の服用を不安に感じている方が多いようですが、心臓病患者はED治療薬を服用できる方とできない方がいます。狭心症や心筋梗塞の方は症状が落ち着いていて主治医からの運動制限を受けていない方であれば、専門の医師と相談の上で服用することが可能ですので、一度、主治医に相談することをお勧めいたします。

心筋梗塞や狭心症などの虚血性疾患と診断されると、症状によって冠状動脈の拡張効果がある「ニトログリセリン系薬剤や硝酸剤と呼ばれる治療薬を処方されることがありますが、この薬とバイアグラやレビトラ、シアリスといった「PDE-5阻害薬」との相性が悪く、ED治療薬と併用することはできません。ED治療薬とニトログリセリン系薬剤や硝酸剤を併用すると、血管拡張効果が増強され、過度の降圧効果が増強してしまうため併用禁忌薬とされていますので、併用はできません。また、同じ心臓病の中で比較的症状が軽い不整脈の方も、狭心症・心筋梗塞と同様に症状が落ち着いていて主治医からの運動制限を受けていない場合でしたらED治療薬の服用は可能ですので、一度、主治医に相談してみて下さい。ただし、不整脈の治療薬にもED治療薬との併用が禁止されている併用禁忌薬があり、一部の抗不整脈薬とED治療薬との併用はできません。抗不整脈薬は1a、1b、1c、2、3、4、6群に分類されており、このうちED治療薬と併用禁忌となるのはアミオダロンやアンカロンが属する3群の抗不整脈薬です。また、ED治療薬のレビトラは3群に加えて、シべノールやリスモダンが属する1群も併用禁忌となっておりますので注意しましょう。

心疾患と性行為

性行為そのものは運動です。性行為は早足で3階までの階段を登るのと同程度の運動負荷とされており、この程度の運動で極度の息切れや動悸がある場合は、性行為もリスクががあると考えられています。また、重度の心疾患の患者で主治医から運動制限を受けている場合は性行為自体が心臓に負担をかけ心疾患を誘発する危険な行為となる場合がありますので、必ず主治医の指示には従うようにしましょう。

ED治療薬は、併用禁忌薬と併用せずに服用方法をきちんと守れば全く危険な薬剤ではなく、むしろ安全に使用していただける薬剤です。

当院にお越しの際は、どんな心疾患を抱えてをおり、その治療にどんな薬剤を使用しているのかを確認してお越し頂くか、お薬手帳などをお持ちの方はお持ちいただくと診察もスムーズに行うことができます。

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