コラム

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2022.03.09

ザガーロとプロペシア

今回は「ザガーロとプロペシアの違いや比較」です。添付文書やインタビューフォームでは「ザガーロカプセル0.5㎎・0.1㎎」は主成分は「デュタステリド」で、2015年9月28日に正式承認された薄毛・AGA治療薬です。プロペシア(フィナステリド)と同じ「5α還元酵素阻害薬」に分類され効果(生え際・前頭部・頭頂部)はプロペシアと比較し(違い)強力です。飲み方・服用方法は1日1回で食事の影響はありません。

 

副作用の初期脱毛が起きる可能性、女性は触れないこと、子作り中は服用しないこと、PSAが1/2の数値になりますので注意してください。処方価格・購入費用は薬価がまだ未定で決まっていませんが東京で最安値を目指します。自由診療で保険適応はありません。通販や個人輸入代行の一部では偽物・偽造品が多く混入していることが知られています。ご注意ください。

プロペシアからザガーロの切り替えでより発毛が期待できます。プロペシアとザガーロの併用は一般的でありませんがミノキシジルと併用するとより効果が高いでしょう。

ザガーロとは

ザガーロ

*ザガーロの画像

  • 商品名)ザガーロカプセル0.1㎎・同0.5㎎
  • 一般名)デュタステリド(デュタステライド)
  • 分類)Ⅰ型、Ⅱ型5α還元酵素阻害薬
  • 販売会社)グラクソ・スイスクライン社(GSK)
  • 承認取得日)2015年9月28日
  • 効能・効果)男性の男性型脱毛症
  • 用法・用量)男性成人には通常デュタステリドとして通常0.1㎎を1日1回経口投与する。なお必要に応じて0.5㎎を1日1回経口投与する。

「ザガーロ」は、グラクソ・スミスクライン(GSK)社が開発した薬で、薄毛・AGA治療薬として2015年8月28日に厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会にて、承認が了承されました。AGA治療薬として承認されるのは「ザガーロカプセル0.1mg、同カプセル0.5mg」で、AGA治療薬としては実に10年ぶりに承認されるお薬です。
「ザガーロ」の主成分は、「アボルブ」と同じデュタステリドなので、プロペシアより強力な「アボルブ」と同じ効果が期待できます。AGA(男性型脱毛症)の治療薬としては、国内で承認されているプロペシア(フィナステリド)の処方が一般的でしたが、AGA治療薬として新たに「ザガーロ」が承認された為、どちらを使用すればよいか、迷う事もあると思います。
では、実際に「ザガーロ」と「プロペシア」の違いについて、お話しましょう。

ザガーロとプロペシアの違い

まず、「ザガーロ」と「プロペシア」では主成分が異なります。「ザガーロ」の主成分は「デュタステリド」と呼ばれるもので、「プロペシア」は「フィナステリド」を主成分としています。
デュタステリドもフィナステリドも、どちらもAGAの原因物質である、男性ホルモンにより乱れる髪の毛のサイクルを正常に戻してくれます。(ヘアサイクルといい通常の髪の毛は6年程度の寿命ですが、男性ホルモンが影響を及ぼすことで1年未満で寿命を迎えるため髪の毛が成長せず短く、細く、薄い髪の毛になります)この髪の毛のサイクルが乱れる原因は、男性ホルモンのひとつであるDHT(ジヒドロテストステロン)にあるとされています。DHTは、テストステロンと5α還元酵素が結び付くことによって生まれる、男性にとっては嫌なことをしてくるホルモンです。(テストステロンも男性ホルモンであり、単体で存在している時は害はないどころか、良い働きをしてくれるのですが・・・)

男性型脱毛症のヘアサイクル

AGAでは、DHTなどの関与によりヘアサイクルの成長期が短縮し、硬毛が軟毛化することで薄毛が徐々に進行します。

見智:医学のあゆみ 222,895-896,2007より改変

ザガーロはⅠ型・Ⅱ型5α-還元酵素阻害薬、プロペシアはⅡ型5α-還元酵素阻害薬(Ⅰ型は阻害しない)

「ザガーロ」と「プロペシア」はどちらも5α還元酵素阻害剤と呼ばれていて、テストステロンと5α還元酵素が結び付くのを阻害してくれます。ここまでは、「ザガーロ」と「プロペシア」にあまり違いが無いように感じますね。しかし、このふたつの薬には決定的な違いがあります。それは、5α還元酵素を阻害するタイプと阻害力です。5α還元酵素にはⅠ型とⅡ型があり、「プロペシア」はⅡ型しか阻害できません。それに対して、「ザガーロ」はⅠ型・Ⅱ型ともに阻害すること、またⅡ型に関しても「ザガーロ」が強力に阻害するため「プロペシア」より効果が期待できると言われています。

ザガーロ0.5mg・0.1mg、プロペシア1mgの効果の違い

・ザガーロ・プロペシア(フィナステリド)の毛髪数のベースラインからの変化(24週間)
ザガーロ
・ザガーロ・プロペシア(フィナステリド)の毛髪の太さのベースラインからの変化(24週間)

ザガーロ2

上記の表はザガーロ0.5mg・同0.1mg・プロペシア(フィナステリド)1mg・プラセボ(偽薬)を24週間服用の比較試験の結果です。発毛数を見るとザガーロ0.5mg>>ザガーロ0.2mg>プロペシア(フィナステリド)1mgであることがわかります。発毛数に関してはザガーロ0.5mgがフィナステリド1mg群よりも約1.6倍の発毛数であり、ザガーロ0.5mgがフィナステリド1mgよりも高い発毛数があることが分かります。(500円玉大の範囲での本数)

毛髪の太さを比較するとザガーロ0.5mg>ザガーロ0.2mg≒プロペシア(フィナステリド)1mgとなっています。ザガーロ0.5mgがフィナステリド1mgよりも毛髪を太くする効果があることがわかります。

また海外の比較試験においてもフィナステリドより高い治療成績を誇っており、ザガーロ0.5mgとフィナステリド5mg(普通処方されるプロペシアは1mgなので5倍の量ですね)を半年間服用した場合、ザガーロ0.5mgを服用したグループの発毛量が約30%も高かったことが知られています。

これらのことから最も発毛効果の高いAGA治療薬はザガーロ0.5mgであると分かります。フィナステリド(プロペシア)1mgと比較し、発毛本数を増加させます。

ザガーロとプロペシアの副作用の違い

「プロペシア」の成分であるフィナステリドの副作用として48週間の二重盲検比較試験において、安全性評価対象276例中11例(4.0%)に14件の副作用(臨床検査値異常変動を含む)が確認されています。
主な症状はリビドー(性欲)減退3例(1.1%)、勃起機能不全2例(0.7%)等ですね。
対して「ザガーロ」の成分であるデュタステリドは国内臨床試験において557例中95例(17.1%)で、主な症状はリビドー減退22例(3.9%)、勃起不全24例(4.3%)、射精障害2例(1.7%)でした。

こうしてみると、デュタステリドのほうが若干、フィナステリドより副作用が見られますが、もともとの前立腺肥大用の副作用としてならば決して多い数字ではありませんね。(前立腺肥大薬のユリーフは副作用のひとつ、逆行性射精だけで25%の頻度です。)

ザガーロの臨床試験ではプロペシア(フィナステリド)と副作用の差はありませんでした。ザガーロはフィナステリドと比較して副作用は「同等~少し多い」といったところでしょう。

ザガーロとプロペシアの使い方の違い

「ザガーロ」と「プロペシア」どちらを使えば良いのか分からないと思われたかもしれません。
結局のところ患者様の体質や発毛に対する考えに合わせて、処方していかなければなりませんので、一概に、「こっちのほうがいい!!」とは言えませんが発毛の程度で判断すると

軽度改善~しっかり発毛・・・・・ザガーロ0.5mg

現状維持~軽度改善・・・・・プロペシア(フィナステリド)1mg、ザガーロ0.1mg

といっていいのではないでしょうか。

「プロペシア1mg」、「ザガーロ0.1mg」は、髪の毛の現状維持~軽度改善と言ったところでしょう。増毛の効果はあまり期待できませんが、「ザガーロ0.5mg」は増毛の効果も期待できます。

発毛に関しては「ザガーロ」でしょう。またミノキシジルタブレット等のミノキシジル製剤と併用して頂くと、相当な増毛効果を期待できます。

しっかり発毛したいと考え、ザガーロ0.5mgを服用した場合、「ザガーロ」がプロペシアよりも副作用の頻度が少し高めです。副作用がみられ、治療継続が困難な場合、プロペシア1mgを服用されたがよいでしょう。
AGA治療は自己判断はせずに、必ず医療機関で医師と相談するようにしましょう。

プロペシアからザガーロへの切り替えで77%の方に発毛が見込めます。

ザガーロ0.5㎎がプロペシア1㎎よりも発毛本数が多い

プロペシア1mgで発毛効果に満足できない場合、ザガーロ0.5mgに切り替えると発毛効果に満足できる可能性があります。上記24週間の比較試験でも分かるようにザガーロ0.5mgが約90本増加、プロペシアが63本増加(500円玉大の範囲での本数)しており、1.5倍程度の毛髪数の増加が見込めます。

ザガーロ0.1mgに切り替えてもプロペシア1mgと比較しほど同等か少し生えるといった感じですので違いはあまりありませんのでザガーロ0.5mgを服用する必要があります。

プロペシア1㎎からザガーロ0.5㎎で77%が改善

フィナステリド(1mg/日)で効果が不十分な場合にザガーロに切り替えた場合の効果を判断している臨床試験があります。それによるとザガーロ0.5mg切り替え後6か月間の投与により77%の改善率が見られています。以下の通りです。

〈海外の臨床試験報告〉

フィナステリド(1mg/日)を少なくとも6か月間投与し効果不十分であった35例に対しデュタステリド(ザガーロ)0.5mgを投与。頭頂部および前頭部の全体写真を用いて皮膚科専門医2名による有効性の評価を行った。

〔結果〕

デュタステリド0.5mgを6か月間投与した31例のうち、24例(77%)が改善(軽度増加、中等度増加、または著明増加)した。

各スコアの患者割合

不変・・・7例、軽度改善・・・17例、中等度改善・・・6例、著明増加・・・1例

ザガーロとプロペシア(フィナステリド)との併用は効果が期待できません。

5α-還元酵素(5AR)阻害薬は5ARを阻害し、AGAの原因であるDHTの濃度を低下させることで、脱毛(抜け毛)の進行を予防します。デュタステリドは5α-還元酵素(5AR)阻害薬のⅠ型・Ⅱ型を、プロペシア(フィナステリド)はⅡ型を選択的に阻害することから両剤を併用投与した場合には単剤と比較して薬理作用(5AR阻害作用)が高まるととが予想されますが、ザガーロ(デュタステリド)はDHTをほぼ完全に抑制していることから(ザガーロ0.5mg投与24週時、血清DHT濃度は90.9%低下)フィナステリド併用によるDHT抑制効果の影響は少ないと考えられています。

またフィナステリド1mg/日とザガーロ0.5mg/でフィナステリド1mg単剤よりも発毛効果があったとする文献もありますが、ザガーロ0.5mg/日がより発毛効果が高いためこのような服用をする場合はザガーロは何らかの事由のため毎日服用できない時に限られるでしょう。

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