AGA治療薬・薄毛治療薬であるプロペシアの主成分「フィナステリド」は催奇形性が知られており、精液中に移行します。また経皮吸収の程度が分かっていません。女性は製剤に触れないようにしてください。
プロペシアに妊娠女性が接触すると胎児に催奇形性が生じる可能性があります。
プロペシアと女性について一番大事なことは触ってはいけない、飲んではいけないということです。これは通常の取扱いにおいて有効成分フィナステリドを用いた生殖発生毒性試験において、妊娠中の女性がフィナステリドに暴露されると生まれてくる男の赤ちゃんの生殖器奇形が生じる可能性があるからです。
プロペシアの経皮吸収の程度が不明な点
プロペシアの経皮的な吸収の程度は明らかでなく、その結果生じる男子胎児及び乳児への危険性を否定できないため、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人はプロペシアを飲んだり触ったりしてはいけません。プロペシアの錠剤はコーディングされているので分割や粉砕にしていなければ問題ありません。
プロペシアの効果 閉経後の女性の場合
では閉経後の女性はどうかというと閉経後の女性は妊娠・出産しないので触れたり飲んだりしても男性と変わりません。また女性にも男性型脱毛症の患者さんはいらっしゃいます。ただ海外で実施した閉経後女性の男性型脱毛症を対象とした12 ヵ月間のプラセボ対照二重盲検比較試験(n=137)において、フィナステリドの有効性が認められませんでした。つまり女性がプロペシアを服用しても効果がなかったということです。
プロペシアと女性
つまり閉経前の女性については催奇形性があるために使用しないこと、閉経後の女性は飲んでも効果を示さないことでまとめて「プロペシア(フィナステリド)は女性に対し適応をもたない、女性はプロペシアに触れてはいけない」ことになりました。プロペシア(フィナステリド)は効果がありませんが女性はミノキシジルの服用や外用で発毛効果があることが知られています。
フィナステリドは日本皮膚科学会推奨度Aの薬剤です。
プロペシアの主成分のフィナステリドは日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)では推奨度Aランクの薬剤でAGA・薄毛治療の標準的な薬剤です。