バイアグラは中国で一般的には「偉哥:うぇいぐー」と呼ばれます
ED(イーディー)治療薬であるファイザー製薬のバイアグラ(シルデナフィル)は世界中の男性に愛用されている薬剤です。
もちろん、中国でもバイアグラは流通しています。中国語でバイアグラはどのように表記されているかご存知でしょうか?バイアグラは一般的には「偉哥」というそうです。「偉哥」は「うぇいぐー」と発音します。「立派なアニキ」というニュアンスがあるそうで日本人からするとなんだか笑える言い回しですね。しかしこの「偉哥」という呼称は一般的な言い方でファイザー製薬は商標上「偉哥」を使用できず、「万艾可」という名前を使用しています。「万艾可」の発音は「わんあいくー」です。なぜこのようなことになっているかというと、当初中国ではバイアグラを「偉哥」としていました。しかし「広州威爾曼薬業公司」という会社が先に「偉哥」を商標登録しており、ファイザー製薬は仕方なく「万艾可」を商標登録しているのです。
「偉哥:うぇいぐー」? 「万艾可:わんあいくー」?
当初、中国国内のメディアは、バイアグラに「偉哥」の漢字表記を充てていました。
しかし、広州威爾曼薬業公司は中国で「偉哥」の商標を先行登録していたのです。ファイザー製薬はこれを不服として広州威爾曼薬業公司など3社に対して提訴しました。広州威爾曼薬業公司が「偉哥」を不当に使用したと主張したのです。約10年に渡り法廷闘争を繰り広げましたが最終的にファイザー製薬は敗訴。このため、ファイザーは中国市場進出に当たり、やむを得ず「万艾可」を中国語名称として商標登録している訳です。
以下が「偉哥」に関するニュース記事です。
「10年余りにわたり争われてきたED治療薬・バイアグラの商標をめぐる訴訟は、このほど終審の判決が下され、原告・ファイザーの敗訴が確定した。ファイザーの商品・バイアグラの中国語名として広く使用される「偉哥」の表記について、ファイザーは商標権を得られなかった。
ファイザーは、バイアグラの中国語表記として使用される「偉哥」を不当に使用したとして、広州威爾曼薬業公司など3社を不正競争・商標権侵害として提訴していた。北京市高級法院(裁判所)がこのほど下した終審判決では、ファイザーの主張が認められず、ファイザーは中国国内における「偉哥」の表記について商標権を持たないという判断が示された。
「偉哥」の商標をめぐる争いの発端は、1998年のバイアグラ発表直後にさかのぼる。当時、中国国内のメディアは、バイアグラに「偉哥」の漢字表記を充てていた。同年5月、広州威爾曼薬業公司は中国で「偉哥」の商標を先行登録していた。このため、ファイザーは中国市場進出に当たり、やむを得ず「万艾可」を中国語名称として商標登録している。
ファイザーは2005年10月、広州威爾曼薬業公司や、「偉哥」の委託生産メーカー、販売業者らを提訴。「偉哥」の著名性を認め、国内未登録の有名ブランドと認定するよう法院に求めるとともに、被告に権利侵害の中止、経済的損失50万元の賠償金命じるよう求めた。
北京市第1中級人民法院は2007年1月、ファイザーの提訴を棄却したが、ファイザーは不服として控訴。北京高級人民法院は、商標の独立保護の原則に基づき、「偉哥」について中国国内におけるファイザーの商標権を否定。有名ブランドの認定についても、法廷での審理範囲には当たらないとして、ファイザーの請求を退けた。」
こうした商標登録にまつわる話はどこの国でもありますね。中国人には「万艾可:ぴんいん」よりも「偉哥:うぇいぐー」と言ったほうが伝わるでしょう。