年度が明け、新生活に慣れるのに忙しい5月を越えて、落ち着き始めた6月、患者さんからは「ちょっと体重が増えたように感じていて……」と言うご相談を受けます。「当院でもダイエット薬を取り扱っています」と話すと、その相談も一緒にされる方が増えてきています。中でも後発品の『オルリファスト』というお薬はよく希望される患者さんが多いです。今回は、「オルリファスト」について見ていきたいと思います。
【 オルリファストとは 】
オルリファスト（先発品名：ゼニカル 、成分名：オルリスタット：Orlistat）は、肥満治療のために開発された薬剤です。主な作用機序は、脂肪吸収を抑制することです。具体的には、消化酵素であるリパーゼの働きを阻害し、食事から摂取された脂肪の一部を体内で分解できなくすることで便として排出します。
また食事と運動の組み合わせとともに使用されることが一般的です。適切な食事制限と運動療法に加えて使用することで、体重減少を促す効果が期待されます。ただし、オルリファスト自体が体重を減らす効果があるわけではなく、食事制限や運動との併用が重要です。
【 使用方法 】
オルリファストの使用方法は、医師の指示に従って正確に行うことが重要です。以下に一般的な使用方法を記載しますが、個人の状況によって異なる場合があるため、必ず医師の説明を受けた上で使用して下さい。
〇食事と一緒に使用する
通常、食事と一緒に使用します。食事の中で脂肪を含む場合にのみオルリファストを摂取します。脂肪の摂取量に応じて、医師が指示した通りにオルリファストの量を調整します。概ね食事由来の脂分の吸収を30％阻害します。
〇適切なタイミングで服用する
オルリファストは、朝昼晩の食事の中または食事の1時間以内に服用します。食事の後にすぐに服用する場合にも、食事の脂肪の消化と吸収を妨げることができます。
〇指示された期間継続する
医師の指示に従い、オルリファストを指示された期間継続して使用してください。通常、オルリファストは数週間から数ヶ月間使用されますが、必要に応じて延長される場合もあります。
〇医師の指導による食事制限と運動
効果を最大限に引き出すために、医師が指導する食事制限と運動計画に従ってください。適切な栄養バランスのある食事と適度な運動は、体重減少の目標をサポートするのに役立ちます。
【 使用上の注意 】
オルリファストの使用上の注意点は以下のようにまとめられます。
〇医師の指示に従う
オルリファストは医師の処方が必要な薬剤ですので、医師の指示に従って使用してください。医師は適切な投与量や使用方法を判断するため、自己判断せずに医師と相談してください。
〇副作用に注意
オルリファストの使用には一部の副作用が報告されています。一般的な副作用には、脂肪の排泄に関連する便の異常や消化器系のトラブルがあります。また、脱脂症と呼ばれる脂溶性ビタミンの吸収不良も起こる可能性があります。場合によっては多くの脂肪が便として排泄され、脂肪が肛門から漏れ出したり便意がコントロールできなくなることもあります。服用初期などは下着が汚れても問題のない環境や対応を考えておきましょう。
〇軽食時の服用方法の確認
軽めの食事のときに服用を続けると脂溶性ビタミンA・D・E・K 欠乏症が考えられます。 脂溶性ビタミン欠乏症予防と痩身効果を上げるために、野菜類を多く摂る食事を心掛けながら服用してください。
また、当院では以下の患者さんへの処方を控えさせていただく場合がございます。
・妊娠中、授乳中の方
・ゼニカル・オルリファストに過敏症（アレルギー）のある方
・栄養失調、摂食障害のある方
・精神障害、甲状腺治療の薬をのんでいる方
・肝臓や腎臓に疾患のある方
飲み合わせの悪い薬もありますので、薬を服用中の方やご不明な点がある方は医師にご相談ください。
以上のように、『オルリファスト』は、厳密に用法・用量をしっかり守ることで確かな効果を発揮するお薬です。また用法・用量を間違うと健康被害(ビタミン欠乏症など)にも繋がりかねないので、医師の説明をしっかり聞き、疑問点はその場で確認をして頂くのが最善です。
またオルリファスト以外のダイエット薬も取り扱っていますのでご興味のある方は文末のURLよりご説明をお読みいただければ幸いです。
「最近ご飯が美味しくて食べるのが止まらない……」という方がいましたらお気軽にご相談下さい。
ダイエット薬一覧【 https://united-sakae.com/other/ 】
