ザガーロとは、イギリスに本社を置くグローバルヘルスケア企業のグラクソ・スミスクライン株式会社が製造、販売する薬剤で、日本では2016年6月から販売されています。ザガーロの有効成分であるデュタステリドは、もとは前立腺肥大症治療薬として豊富な実績のあるアボルブという商品名で2009年に厚生労働省に認可されている薬剤です。そのため人体への安全性の実績もあります。ザガーロとアボルブの主成分はどちらもデュタステリドですので、効果や副作用はまったく同じになります。今回はこのザガーロやアボルブの主成分デュタステリドの効果や副作用について書いていきたいと思います。
デュタステリドの効果
デュタステリドはAGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)を生成するのに必要不可欠な5α-還元酵素を阻害することでDHTの生成を抑制します。AGA治療に興味がある方なら聞いたことがあるかと思いますが、プロペシア(有効成分フィナステリド)というAGA治療薬の効果はⅡ型5α-還元酵素を阻害しDHTの生成を抑制し、ヘアサイクルを整えて発毛を促進します。デュタステリドはフィナステリドの作用しないⅠ型5α-還元酵素も阻害するとともに、Ⅱ型5α-還元酵素もフィナステリドよりも強力に阻害します。そのため、フィナステリドの約1.6倍の効果が期待できます。DHTの生成を抑制してくれることで薄毛、脱毛への治療効果が現われます。個人差はありますが、大半の方が6ヶ月ほどで効果を実感できます。中には早い方で3か月ほどで効果を実感される方もいらっしゃいますが、目安が6ヶ月ですので、デュタステリドでAGA治療を行う場合には最低でも6ヶ月の継続服用が必要です。また、服用を中断してしまうとまたAGAが進行していってしまうので、効果を持続させるためには服用を継続することが大切です。
デュタステリドの副作用
副作用は稀にですが、勃起不全や性欲後退といった、EDと呼ばれる症状があります。また、精液量減少といったこともあります。デュタステリドの服用を中止すれば副作用も消失しますが、ED等はED治療薬のバイアグラなどを服用する事で対応出来ます。その他に、初期脱毛という治療初期に一時的な脱毛が見られる場合もあります。これは薬剤の効果でヘアサイクルを整えることによって起こる症状で、現在の細く弱くなっている毛髪と生え変わるために起こります。そのため、初期脱毛が起こった事に悲観せず、むしろ薬剤が効き始めてきたと考えて問題ありません。
ザガーロの服用方法
ザガーロのデュタステリド(主成分)含有量は0.5mgと0.1mgの2種類のカプセル錠があり、どちらも大きさは同じです。飲み方としては、1日1回1錠を服用します。カプセルの中身が出ると口や喉の粘膜を刺激する可能性がありますので、服用するときは噛んだり割ったりせずに、そのまま服用ください。もし飲み忘れがあったとしても、1日に2回服用したり、1回に2錠服用することはせず、用法、用量は必ず守ってください。できれば24時間おきに服用するのが理想的ですので、毎日服用するタイミングを決めたほうが効果としても安定しますし、飲み忘れも防ぎやすいです。
ザガーロの注意点
ザガーロなどのデュタステリド製剤は前立腺がんの腫瘍マーカーPSAの数値を2分の1に変化させますので、健康診断やかかりつけの医師にデュタステリドを服用している事を必ず伝えましょう。2倍にすると本来のPSA値と同等です。またザガーロを中断し、6ヶ月以内でPSA値は元の数値に戻ります。
ザガーロを割ったりしないようにしてください。ザガーロなどのデュタステリド製剤はカプセル化されていますので、そのまま女性が触れても経皮吸収されませんが、成分であるデュタステリドに触れてしまうと胎児の生殖器官の正常発達に影響を及ぼす恐れがあるため、閉経前女性はデュタステリドに触れないようにしてください。
デュタステリド服用中の患者は献血してはいけません。血中半減期が長いため、投与中止後6ヶ月は献血できません。デュタステリドは妊婦への投与が禁止されていて、輸血を通じてデュタステリドが女性の体内に投与されるのを防ぐためです。
妊活中の方、これから始める方は医師とご相談した上で服用するようにして下さい。またデュタステリド製剤は必ず医療機関で処方されるものを服用下さい。AGA治療薬は長期に渡って服用するものなので、インターネットで購入出来るような薬剤を服用し続けるのは危険です。健康被害も多数報告されており、通販等の場合6割以上が偽物というデータもあるため、必ず医療機関をご利用し、医療機関で処方されたものを服用するようにして下さい。
